衣類に発生したカビの原因・効果的な落とし方・予防法を詳しく解説

「衣替えで久しぶりに出したお気に入りのシャツに黒いカビが…!」
「クローゼットにしまっていた服にカビが生えていた!」
梅雨時期や湿気の多い季節、気づかないうちに衣類にカビが発生してしまった…
しかも周りの衣類にも斑点が。そんな経験はありませんか?
汗や皮脂汚れが残ったまま収納すると、クローゼット内の湿気と合わさってカビが繁殖しやすくなります。
服にカビがつくと、「すぐに水で洗う」のは逆効果!
繊維に根付いたカビをしっかり落とすには、正しい方法で対処することが大切です。
今回は、衣類についたカビの効果的な取り方と予防策をご紹介します。
大切な服を守るために、ぜひ参考にしてください!
カビの発生原因と危険性
衣類にカビが発生する主な原因は湿気・汚れ・保管環境です。
特に、クローゼットや押し入れなど通気性の悪い場所での保管、汗や皮脂汚れが残ったままの収納は、カビの繁殖を促します。
さらに、密閉された収納ケースやビニールカバーを使用すると湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい環境を作ってしまうのです。
一度カビが発生すると、黒ずみやシミが繊維に根付き、完全に落とせなくなることがあります。
カビ臭が衣類に染みつき、洗濯しても取れにくくなったり、胞子を吸い込むことでアレルギーや呼吸器疾患を引き起こす可能性もあります。
適切な洗濯と保管方法を実践し、カビの発生から大切な衣類を守りましょう。
服にカビが生える原因
衣類にカビが生える原因は主に湿気・汚れや皮脂の蓄積・保管方法です。
これらの要因が重なると、カビの発生リスクが高まり、大切な衣類が傷んでしまいます。
湿気が多い環境
衣類にカビが生える大きな原因の一つが湿気の多い環境です。
クローゼットや押し入れなどの通気性が悪い場所は湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい条件が整います。
特に梅雨時や冬場の結露が発生しやすい季節は、収納スペースの湿度が上昇し、カビのリスクが高まります。
また、洗濯後に完全に乾いていない衣類を収納すると、内部の湿気が蓄積し、カビが発生しやすくなります。
汚れや皮脂の蓄積
汗や皮脂、食べこぼしなどの汚れが衣類に残っていると、カビのエサとなり、繁殖を助長します。
特に、目に見えない皮脂汚れは繊維の奥に染み込みやすく、適切に洗濯しないとカビが発生する原因になります。
洗濯しても十分に汚れが落ちていない衣類や、自宅で洗えない服を長期間収納する前にクリーニングに出さず、片づけてしまった服はカビが生えやすくなるため注意が必要です。
保管方法の問題
密閉された収納ケースやビニールカバーを使用すると、湿気がこもりやすくなりカビが発生しやすくなります。
また、クローゼットや押し入れに衣類を詰め込みすぎると、空気の流れが悪くなり湿気が逃げにくくなります。
他にも、クリーニングから戻った衣類をビニールカバーをかけたまま保管すると、カバー内に湿気がこもりカビの原因となることがあります。
衣類を適切に収納し、通気性を確保することがカビ防止のポイントです。
衣類についたカビの取り方
白カビ・黒カビなど種類によって対象方法が異なります。
もし衣類にカビが発生してしまった場合は、特徴を確認して、それぞれにあった方法を試してみてください。
白カビの場合
白カビなど衣類の表面に付着するカビは、初期段階で発生することが多く、繊維の表面に白い粉状や綿状の汚れとして現れます。
主に湿気の多い環境や汚れが残った衣類に発生しやすく、特にクローゼットや押し入れに長期間保管していた衣類で見られます。
白カビは比較的繊維の浅い部分に付着しているため、早めに対処すれば落としやすいのが特徴です。
天日干しで殺菌
晴れた日の日中に天日干しをすることがおすすめです。
紫外線が強い時間帯に衣類を直射日光に当てることで、カビの繁殖を抑え、効果的に殺菌できます。
風通しの良い場所を選び、できるだけ衣類全体や裏表に日光が当たるように干すのがポイントです。
ブラシで払い落とす
衣類に付着したカビの胞子は目に見えないことが多いため、屋外で柔らかいブラシや布を使い、優しく払い落とすことが大切です。
強くこすると繊維を傷める可能性があるため、軽く叩くようにしてカビを取り除きます。
また、カビの胞子が室内に舞わないように、換気の良い屋外で作業するようにしましょう。
黒カビ・黒カビによるシミの場合
黒カビは、白カビよりも繊維の奥深くまで根を張り、シミとして残りやすいのが特徴です。
見た目は黒や緑がかった黒色で、湿気の多い場所に発生しやすく、不規則な形の斑点が広がっていることもあります。
白カビと比較して表面が硬く、湿った場所にこびりつくため布や壁などに付着すると、その痕跡が長期間残りやすいです。
黒カビは強い色素を持ち、通常の洗濯では簡単に落ちないため、酸素系漂白剤や重曹を使った処理が必要になります。
また、黒カビが発生した衣類をそのまま収納するとカビの胞子が他の衣類にも広がる可能性があるため、早めの対処が大切です。
酸素系漂白剤を使った部分洗い
衣類についた黒カビやシミは、酸素系漂白剤を使った部分洗いで効果的に落とせます。
まず、洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤が使用可能かチェックします。
黒カビの部分に液体タイプの酸素系漂白剤を直接塗布し、5〜10分ほど放置して汚れを浮かせます。
その後、柔らかいブラシや指の腹で優しく叩き洗いし、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。
仕上げに通常の洗濯を行い、風通しの良い場所で完全に乾燥させることが重要です。
ぬるま湯につけ置き洗い
衣類についた黒カビやシミは、ぬるま湯につけ置き洗いで繊維の奥の汚れを浮かせて落とすこともできます。
まず、洗面器やバケツに40℃前後のぬるま湯を用意し、酸素系漂白剤または重曹を溶かします。
目安として、水2リットルに対し酸素系漂白剤大さじ1、または重曹大さじ2を加え、しっかり混ぜます。
衣類を黒カビが浸かるように沈め、30分~1時間ほど放置します。
この間に、漂白剤や重曹の作用でカビの汚れが分解され、落としやすくなります。
つけ置き後は、軽くもみ洗いをして汚れを浮かせた後、しっかりすすぎましょう。
その後、通常の洗濯を行い、風通しの良い場所でしっかり乾燥させることが大切です。
ぬるま湯を使うことで洗剤の効果が高まり、より効果的に黒カビを除去できます。
衣類の広範囲にカビが発生・繊維にも浸透した場合
衣類にカビが衣類全体に発生し、繊維の奥まで浸透してしまった場合、通常の洗濯では落としにくいため、下記の方法を試してみてください。
漂白剤での処理(白い衣類限定)
白い衣類に広範囲のカビが発生した場合は、塩素系漂白剤を使った処理が効果的です。
- 洗濯表示を確認し、塩素系漂白剤が使用可能かチェック
- 次に、水5Lに対し漂白剤5〜10mlを薄め、衣類を10〜30分つけ置きする
- つけ置き後はぬるま湯でしっかりすすぎ、通常の洗濯を行う
- 仕上げに風通しの良い場所で完全に乾燥させる
ただし、塩素系漂白剤は繊維に負担をかけるため、頻繁な使用は避けるようにしましょう。
重曹やクエン酸での処理(柄物やデリケートな素材限定)
柄物やデリケートな素材に広範囲のカビが発生した場合は、重曹とクエン酸を使ったナチュラル洗浄が効果的です。
漂白剤を使いたくない場合や、デリケートな衣類におすすめの方法です。
重曹は汚れを浮かせる効果、クエン酸は抗菌・消臭効果があり、繊維を傷めずにカビを取り除くのに適しています。
- 重曹ペーストを作り、黒カビの部分に塗布します。ペーストは重曹大さじ2に少量の水を加え、ペースト状になるまでかき混ぜます。
- クエン酸水(クエン酸小さじ1を水200mlに溶かしたもの)をスプレーし、泡立たせて汚れを分解します。
- 5〜10分ほど置いた後、柔らかいブラシや布で軽く叩きながら汚れを落とし、ぬるま湯でしっかりすすぎます。
- 最後に通常の洗濯を行い、風通しの良い場所で完全に乾燥させることで、カビの再発を防ぎます。
衣類のカビを防ぐ方法
衣類のカビを防ぐには、湿気対策・汚れの除去・通気性の確保が重要です。
下記の方法を試してください。
収納時のポイント
衣類のカビを防ぐためには、収納時の環境を整えることが重要です。
まず、クローゼットや押し入れは定期的に換気し、湿気がこもらないようにしましょう。
衣類は詰め込みすぎず、適度なスペースを確保して通気性をよくすることが大切です。
また、長期間保管する際は不織布カバーを使用し、密閉しすぎないようにすることで湿気対策になります。
除湿剤や防カビの活用
衣類のカビを防ぐためには、除湿剤や防カビ剤を活用して湿気をコントロールすることが重要です。
クローゼットや押し入れは湿気がこもりやすいため、シリカゲルなどの乾燥剤や炭タイプの除湿剤を設置し、定期的に交換しましょう。
また、防カビ剤を使用するとカビの繁殖を抑える効果があり、衣類を長期間清潔に保つことができます。
合わせて定期的にクローゼットの扉を開けて換気することで、より効果的にカビの発生を防げます。
収納ケースの換気・乾燥対策
衣類のカビを防ぐためには、収納ケースの換気と乾燥対策も重要です。
収納ケースは湿気がこもりやすいため、定期的にフタを開けて換気し、内部の湿気を逃がしましょう。
また、すのこを敷いたり、収納ケースの下に隙間を作ることで通気性を確保できます。
収納する衣類は完全に乾燥させてから収納することも大切です。
着用後の正しいケア
衣類のカビを防ぐためには、着用後の適切なケアが重要です。
汗や皮脂汚れが付着したまま放置すると、カビのエサとなり繁殖しやすくなります。
以下のポイントを意識しましょう。
汗をかいた衣類はすぐに洗濯
汗をかいた衣類はすぐに洗濯することが、カビの発生を防ぐ重要なポイントです。
汗や皮脂汚れが衣類に残ったまま放置すると、湿気と汚れがカビのエサとなり、繁殖を促進してしまいます。
特に、梅雨時など湿度の高い季節はカビが発生しやすいため、できるだけ早く洗濯することが大切です。
すぐに洗えない場合は、風通しの良い場所に干して湿気を飛ばすことで、カビのリスクを軽減できます。
乾燥が不十分な衣類は収納しない
乾燥が不十分な衣類を収納すると、湿気がこもり、カビ発生の原因になります。
洗濯後は、完全に乾燥させてから収納することが大切です。
特に、厚手の衣類やデニム、タオル類は内側に湿気が残りやすいため、風通しの良い場所でしっかり乾かすようにしましょう。
部屋干しの場合は、除湿機や扇風機を活用すると乾燥が早まり、カビのリスクを減らせます。
衣類を収納する際は、湿気が残っていないか確認し、通気性の良い状態を保つことが、カビ予防のポイントです。
クローゼットや押し入れの管理
衣類のカビを防ぐにはクローゼットや押し入れの管理も大切です。
収納スペースは湿気がこもりやすいため、定期的に扉を開けて換気し、新鮮な空気を循環させることが重要です。
衣類を詰め込みすぎると通気性が悪くなるため、適度なスペースを確保し、空気が流れる環境を整えましょう。
収納スペースの床や壁にカビが発生していないか定期的にチェックし、清潔に保つことも大切です。
まとめ
カビは湿気・汚れ・保管環境の悪さによって発生しやすくなります。
白カビは比較的落としやすいですが、黒カビや広範囲に広がったカビは適切な処理が必要です。
カビを防ぐためには、収納環境の改善・着用後のケア・定期的な換気を心がけ、大切な衣類を守りましょう。
カビを落とすことが難しい場合は、無理に落とそうとせずプロのクリーニングサービスを利用することも1つの方法です。

監修者情報
本記事は、クリーニング専門店「フランス屋」のコラム編集部監修のもと執筆されています。長年のクリーニング経験を生かし、正確で実践的な情報を提供しています。
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